horumo’s blog

心理学・心理術の世界

<心療> 記憶がなくなれば辛かった過去は消えるの? #心理

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あなたはもう十分苦しんできました。

だから、もう苦しむ必要はありません。

これからは幸せになってもいいのです。

 

・辛い出来事を何度も思い出して今う人

・過去の記憶にとらわれて自由になれない人

・「あのとき~していれば」と後悔している人

 

ちょっと考え方を変えてみませんか?

 

  ↓

前回の記事

drg-horumo.hatenablog.com

 

<目次>

 

 

1.記憶がなくなれば解決するのか

脳は辛い過去を消そうとします。

過去の心の痛みを癒すには、時間がかかります。恐らく多くの人が思っている以上に時間はかかるでしょう。

「いつか時間が解決してくれる」

そう信じて、時の流れに身を任せていきることも出来るでしょう。

 

実際に、私たちの脳の中には「過去の記憶」を薄れさせてくれる機能が備わっています。

だから、辛かった過去も、時間が経つにつれて物体が風化するように少しずつ輪郭が曖昧になっていきます。

そうやって長い年月の末に、「ようやく少し未来を見ることが出来るようになったなあ」と、自分の心の軌道をしみじみなぞりながら、立ち直ってきた自分に喜びを感じる人も多いでしょう。

 

しかし、過去の記憶がようやく薄れてきたとき、今度は「ここまで来るのにこんなに長い時間を要してしまった」と過去にとらわれていた年月の長さに愕然とする人もいます。

そして、自分の人生とはいったい何だったんだろうと激しく後悔する人もいます。

 

場合によっては「死にたい」と思う人もいるでしょう。

しかし、心はそうであっても肉体はそうはいきません。

肉体は自分の命を生かすことを最優先に考えます。つらいことがあったからと言って自分の命を脅かすなんてとんでもないことです。

 

こんな時、無意識の領域では次の相反する命題を解決しようとします。

 

・精神⇒辛いから死にたい

・肉体⇒何としてでも生きたい

 

そして、「わかった、そんなに辛いんだったら、記憶を消してしまおう」と、無意識が「自分を生かすため」に記憶を消してしまいます。

 

このように無意識がいわば「生命維持装置」のような役割を果たして、記憶をなくすことがあります。

 

生命を維持するための苦肉の策として、記憶を消してしまうと楽になるかというと、そういうわけでもないと考えます。

 

むしろ記憶が消えた人は「理由はないが不安になる」、「一人でいるとき怖くてたまらない。でも、自分が一体何に怯えているのかその原因がさっぱり分からない」という風に、正体不明の影におびえるようになるでしょう。

 

したがって、記憶が消えても、辛い過去が帳消しになるわけではないものです。

 

では、「過去の出来事を覚えていなくても辛いということなのか?ずっと苦しみ続けなければならないのか」と思う人もいるでしょう。

 

勿論そんなことはありません。

 

過去の痛みから解放する方法はあります。

その方法はきっとあなたの過去の痛みを癒すと同時に、未来の自分を守ることにもなるでしょう。

 

2.視点を変えて考えてみよう

辛い過去の「当事者」自分と相手との関係性について考えていきましょう。

 

あなたが過去に辛かった体験をしたのであれば、なぜそんなことが起きたのかという問題を、もう一方の当事者である相手との関係性の中でとらえる必要性があるからです。

 

"過去の痛みに苦しんでいる人達"の多くに共通することは「これが見えていないから問題がどんどん膨らんで、状況が悪化していく」ということです。

 

では、「他者中心」だと何が問題だと思いますか?

 

それは「自分に起こった出来事が正確に把握出来ない」という点です。

 

試しに、過去にネガティブな感情を抱いた出来事を思い出してみてください。わざわざ辛かった過去を必死に思い出すことはありません。

 

最近の軽い出来事で大丈夫です。

 

職場でどういうことがありましたか?

家族にどんなことを言われましたか?

どんな時にイライラしたり、腹が立ちましたか?

どんなことで傷ついたり悲しくなりましたか?

 

ポイントは物事の全体が見えているかです。

 

例えば、相手に裏切られたと知って絶望した場面、相手の行動が信じられなくなって失意に打ちひしがれた場面、信じていたことが嘘だと知って茫然になった場面など、過去のある1場面が蘇ってくるでしょう。

 

こういう場合、相手にマイナスの感情を抱けば抱くほど、心が激しく揺さぶられます。

そして、感情が心に強く刻まれるため、その場面が後々まで鮮明に記憶されます。

 

しかし、この時私たちの心を占めているのは「相手が私に何をしたか」、あるいは「私が相手に何をされたか」です。

 

自分が「傷つけられた」、「傷ついた」という思いがある時は、尚更この部分にしか意識が向きません。

 

しかし、物事には全て流れがあります。

要するに言いたいのは、その前後はどうだったかということです。

 

 

 

「青天の霹靂」という言葉があります。

思いもしなかった出来事が突然起きて、ひどく驚いたときなどに使われます。

いきなり文句を言われた。

いきなり別れを告げられた。

いきなり解雇された。

あるいは、道を歩いていたら、いきなり大木が倒れてきた。

 

こんなことが起きたらそれは紛れもなく、「青天の霹靂」でしょう。

 

過去にとらわれている人はよく、自分に降りかかった災難を「青天の霹靂だった」といいます。

 

でも、自分にとってはそうであったとしても、相手にとってはどうでしょうか?

相手はあなたに対して、「今言わなきゃ」、「このまま関係を続けることは出来ない」そう思って行動しています。

 

相手が100%悪いから私は悪くないという人もいるでしょう。

確かにあなたにとってはそうです。けれども相手からしたら自分が気づかないうちに傷ついていて「仕返しをしたい」と考えているかもしれません。

 

相手が逆恨みをする可能性は十分あります。

そこで、じゃあ諦めるしかないのか?

そうではありません。

言いたいのは、どんなに相手が悪くても、相手があなたに抱いている感情を変えることは出来ないという事です。

 

そういう意味では、どちらが悪かったのかをハッキリさせるだけでは問題は解決しません。

特に心の問題はそうです。

 

どんなにあなたが正しくて、心の中で自分の正義を叫んだとしても、裏切る人は裏切るし、だます人はだまします。嘘をつく人は嘘をつくし、欺く人は欺きます。

それはその人たちの生き方なのです。

 

どんなに間違っていても、そうすることを彼らが望んでいる限り、私たちはその生き方を変えることは出来ません。

この認識は非常に重要です。

 

では、何が問題なのでしょうか?

それは「どうして私が傷つくことになったのか」ということです。

どうして裏切られたのか。

どうしてだまされたのか。

 

重要なのは、「相手があなたを傷つけた」事実よりも「あなたが相手に傷つけられてしまった」という事実です。

 

そして、その結果を「青天の霹靂」のように感じているのだとしたら、それこそがあなたにとっての間違いです。

 

 

 

3.自分の感情に正直に

あなたは自分の本当の気持ちが見えていますか?

「みんなと仲良くしなければならない」

「人を嫌いになってはいけない」

「人を否定してはいけない」

「人を悪く思うのはいけないことだ」

このようなことを考えていると、自分の本当の気持ちや感情を抑えるか、無視することになります。

 

それどころか、相手にマイナスな感情を抱くと、そんな感情を抱いてしまう自分自身に罪悪感を覚えるかもしれません。

 

「みんながみんなが...」

という思考の人はすでに自分の感情を無視しています。

 

こんな風に自分の気持ちや感情を無視したりしていると、私たちにもともと備わっている感知能力は鈍っていき、やがて自分の気持ちすら見えなくなってしまいます。

 

思考は凝り固まると執着心や依存心にすり替わります。

このような依存心によって自分の心が曇ってしまうとますます何が起こっているのか、正確に見えなくなってしまいます

 

私たちは、突然ショックなことが起きると、心に大きな衝撃を受けます。

しかし、大きな衝撃を受けるということは裏を返せば、それまで現れていた兆候に全く気付かなかったという事です。

 

勿論中には不可抗力があります。

自然災害ならともかく、一般的な対人関係においては、問題を早く察知することは可能だし、早めに察知していれば防ぐことが出来た場面も多いのではないでしょうか?

 

他にも、我慢することが癖な人は、他者に振り回されることが当たり前になっていると、それがおかしいと気づくことなく、ついつい我慢してしまいます。

 

しかし、「我慢する」というのは、一般的には評価されることだとされています。

「人生には辛いことが沢山ある。でも誰だって我慢して耐えているんだ。それが人生なんだよ」と。

 

苦労して生きてきた人たちの常套句です。

 

でも本当にそうでしょうか?

そうやって我慢するから、艱難辛苦の人生になってしまうのだと考えたことはありませんか?

 

我慢は必要なことだと思い込んでいる人ほど、不思議と知らない間に自分自身を大変な道にどんどん追い込んでしまいます。

ですから、自分に鞭を打ってまで我慢をする必要性はないのではないでしょうか?

 

対人関係において物事はいきなりは起きません。

必ず前後にそれが起こった原因があります。

自分の気持ちに正直になって柔軟になれば、今後起こるであろう、もしくは相手の気持ちをいち早く察知して未然に防ぐことが出来るかもしれません。

まずは自己中心で自分の気持ちを大切にしてください。

 

4.無理に過去と向き合う必要はない

心の中で過去が再現されないようにほかのことで気を紛らわせても、「現実逃避するな」、「過去を直視すべきだ」と他人がいってくる場合があります。

 

この考えは一見正しいようですが、実はそうでもありません。

 

過去と向き合うことが、必ずしも最善とは限らないからです。

 

過去と向き合うのが辛い時は、自分にそれを強いる必要は全くありません

なぜならそれは、自分の心が「向き合いたくない」「向き合うのが怖い」と言っているのだから。

 

そんな時は自分の気持ちを優先する方が重要だと私は思っています。

 

まずは自分の気持ちを第一に優先し、どんな方法であれ自分を愛してみましょう。

 

これ以上自分を傷つけることがあってはならないのです。