horumo’s blog

心理学・心理術の世界

日常で使える心理術Part8

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自分を弁護する者は愚かなり

 

 

<目次>

 

 

1.バランス理論

「バランス理論」とは、人はいつでも均衡のとれた人間関係を求めていて、そのバランスが崩れると、自分の意見や見方を変え、その関係を修復しようというする心理傾向のことです。

 

例えば、友人に嫌いな相手がいれば、自分も嫌いになってしまうなどが挙げられます。逆に言えば友人が好きな人物のことはあなたも好きななってしまいます。

 

学校のスクールカーストでよくありそうな光景で、一番のボスに従わなければ自分は嫌われてしまう、そうしないために無理やり、一生懸命考えを合わすといった場合は恐怖や不安で相手を支配しているので別物ですね。

 

交渉時には必ずこのバランス理論を意識してください。

 

相手を説得する交渉の場面で、共通の知り合いの名前を出し、「あの人もこれを気に入っていましたよ」という一言が決め手になることがあります。

 

あなたも信頼している人が買ったものだと聞けば、きっと迷い少なく購入するのではないでしょうか?

 

人質交渉人が犯人と交渉するとき、よく耳にするのが「両親はどこいいる?」、「彼女または奥さんはいるか?」という質問です。交渉人は犯人と親しい人物を使い、犯人の心を揺さぶる作戦に出ます。

 

他人が言っても聞かないけれど、親や恋人の一声で意見が変わってしまう。このようにバランス理論を使うと、あの人が選んだものだから間違いないという心理が働きます。

 

もしあなたの交渉相手がタフな人である場合、事前にその人が信頼を寄せている人物を調べてから交渉に臨み、最後のカードにその人の名前を出せば、成功する確率が非常に高くなります

 

異性を口説く場合は、事前に相手の信頼を寄せている友人や人物に近づき、肯定的な態度でまず信頼を集めます。

 

その後、好意を抱いている相手を口説くと、その信頼を寄せている人物から背中を押され、意外と簡単に交際に発展しますので、意中の相手の友人をまず味方にしておくことは必要不可欠です。

 

 

2.仕事を有利に進める魔法のような言葉

 

「最近仕事はどうですか?」

「もう忙しくてバタバタです」

 

そんな返事が返ってくると、この人仕事が出来ない人なんだなと思ってしまいます。そして仕事が出来る人ほど、このように発言する人に近づきません。

 

忙しいが口癖の人は、段取りが悪いか、仕事を時間内に片づける能力がないと証明しているようなものです。

 

一方、仕事が出来る人は時間管理や他人への仕事の依頼の仕方に長けているので、そんな言葉を口にすることはありません。

 

実は、パワーボキャブラリーを身に付けていると、あなたの仕事は必ず増えます。

 

人間は無意識に相手の言葉を聞いて、その能力を推し量ります。「そんなことはないでしょ」と思うのであれば、少し考えて下さい。

 

目の前に二人の男性がいます。あなたはどちらかに仕事を頼みたいと思っています。どちらも能力は同じであることはわかっています。

 

1人は元気よく「はい、任せてください。一日で仕上げます」と返事が返ってきます。

もう1人は「ええ、もちろんやりますけど一日かかりますよ。それでもいいですか?」と返事が返ってきます。

 

仕事が仕上がるのも同じ時間、仕上がる能力もほぼ一緒、さあ、あなたはどちらに頼みますか?

 

もちろん前者ですよね。このようにパワーボキャブラリーを使うのはあなたのキャリアに非常に有利に働きます。

 

日本人は真面目だから、ちゃんとした準備がないととても返事が出来ないという人がいます。

 

しかし、世界の偉業を成し遂げた人たちはしっかり準備をしてから偉業に取り掛かったのでしょうか?違いますね。

 

かの有名なナポレオンヒルだって、カーネギーに無償で成功法則の本を書けと言われて、自分に対してなんの保証もないし、何をどうすればいいかわからない状態で、とにかく「はい、やります、やらせてください」と言ったわけです。

 

そしてその成功哲学の本は世界中で売れ、ナポレオンヒル自身を大富豪にしました。

 

言葉を軽視する人は多いですが、パワーボキャブラリーが人に与える影響は多大なものなので、しっかりと注意してください。

 

 

3.類似性の法則

 

交渉相手がタフな場合があります。

 

どう考えてもこちらの意志をくみ取ってくれない相手や、首を縦に振ってくれそうにない相手、頑固な相手に、最初から難色を示す相手など、沢山います。

 

交渉前から気力も萎え、萎縮してしまう相手がいるものです。

 

アメリカの交渉人は、まず交渉相手の性格、価値観、趣味などを徹底的に調べます。それこそ相手が最近読んだ本まで調べ上げ、自分自身もその本を読み、相手の価値観に沿うように感想を書き出し、それを覚えます。

 

人は自分に似ている相手に親近感を持ち、信頼を寄せる傾向があります。初対面同士でも、同じ出身地だったり、同じ趣味をもっていたりすると、妙な親近感を覚えるものです。

 

入学したての大学一年生の友達作りを想像してもらうのが一番分かりやすいですね。

 

この法則は多くの人に当てはまり、それはどんな性格の人にも適用できます。

 

例えば堅物で有名な社長も、自分と似た人間を見ると、かわいがってしまうものです。

実はこれはビジネスの場面だけに限らず、異性に関しても同じ研究結果が出ています。

 

もし、あなたに口説きたい女性がいれば、その人と同じ価値観を持つことで、距離を一気に縮めるのが容易になります。

 

相手の価値観、性格、服のジャンルなどを調べて、まるで以前からこのように生きていたかのように話せばいいのです。

 

この方法はよく別れさせ屋が使うテクニックで、特にターゲットが女性の場合は、かなりの確率で使われます。

 

全てを兼ね揃えた工作員の男性がターゲットの女性の前に現れることで、まるで女性にとって運命的な出会いであるかのように見せます。

 

そしてじっくりと交際が始まり、自然と交際している男性と別れさせるように女性を仕向けます。

 

これほど強い効果を発揮するものですが、実は異性に使う場合、効力があるのは最初だけで、もし結婚ということになると、まるで逆の効果が働きます。

 

よく価値観が合わないからという理由で離婚や別れたりするカップルや夫婦がいますが、ほとんどは価値観の違いが原因ではなく、別の理由があることが証明されています。

 

結婚において、長く続くのは必ず価値観が相反するカップルであり、相反するからこそうまくいくのです。

 

 

4.相手の心から余裕を奪う

 

交渉において重要なのは相手との妥協点を探し、説得することであって、相手の望みを聞くことではないです。

 

私たちは説得して「交渉というものは相手の機嫌を取るものだ」と勝手にイメージしていますが、相手の心理をぼろぼろにして、再起不能にすることも可能なのです。

 

ピグマリオン効果」というのは、は他者に期待されるほどにやる気を引き起こされ、期待通りの成果を出す傾向があるという説で、アメリカの教育心理学者ローゼンタールによって提唱されていますが、この逆、アンチピグマリオン効果という技術を使う人は少ないです。

 

1988年11月25日ー1989年1月4日に、日本中を震撼させた「ドラム缶殺人事件」がありました。被害者の女性は長い期間監禁された後に、死亡してまい、最後にはコンクリートを流し込まれたドラム缶に入れられたという悲惨な事件です。

 

監禁されたとき、被害者はいくらでも逃げ出せる機会があったそうです。では、なぜ逃げなかったのか。

いや、実は心理的に逃げれなかったのです。

 

これは脅しを受けただけではなく「お前は逃げても誰もかまってくれない」「誰も見方がいない」「誰もお前を助けてくれない」というアンチピグマリオン効果によって、自分の存在価値感を見失い、逃げてもどうせ無駄だと思い込むことで起きたものです。

 

これは夫婦の間でもよく起きている現象で、DV経験があればよく理解できることだと思います。

 

「お前は仕事が出来ない」「お前は役立たず」「お前は誰の金で食っているんだ」と長い期間聞かされると、本当に自分の価値がないものだと思い込み、相手のちょっとした優しさに有頂天になり、もっと相手を喜ばせたいと考え、相手の思うツボになるわけです。

 

アンチピグマリオン効果は一種の洗脳術でもあり、使う場面を間違えると大変なので、あなたの良心に照らし合わせて使用ることをお勧めします。